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聖書研究会 「詩篇64編、65編」

鴨教会聖書研究会 詩編64編65

2019年10月13日 渡辺善忠

 

 今月はまだ学んでいない64編と65編を学びます。

 

詩編64編

 64〜65編の前書きにはいずれも、「指揮者によって。賛歌。ダビデの詩」と書かれています。「指揮者によって」という言葉には、二つの詩編とも指揮者を必要とする多人数の聖歌隊で歌われていたことが示されています。「賛歌」は神殿で歌われる「賛美歌」のことです。賛美歌に様々な内容の歌が収められているように、64編は神に悩みを訴える内容、65編は神への賛美という対照的な詩が伝えられています。

 64編は「わたし」という一人称で始まるため、素朴な原詩が歌い継がれた後に、神殿の祭儀で用いられる賛歌へ発展したと考えられています。「敵の脅威」(2節)、「さいなむ者の集い」(3節)などの御言葉は複数形で書かれているため、一人の信仰者が多くの敵と相対していたことが原詩の背景だと言われています。

 この詩には、敵が武器を持っていることが記されておらず、「彼らは舌を鋭い剣とし、毒を含む言葉を矢としてつがえ」(4節)と書かれています。このため敵とされている人々は、言葉で詩人を攻撃していたと考えられています。敵が言葉で詩人を攻撃していたことは、「巧妙に悪を謀り、『我らの謀は巧妙で完全だ。人は胸に深慮を隠す』と言います」(7節)という御言葉にも示されています。

 このような状況は、時と場を越えて、私たちにも身近な意味があります。なぜなら私たちを含めて、現代の信仰者は迫害や暴力を受けることはありませんが、言葉で攻撃されることはあるからです。「神は彼らに矢を射かけ」(8節)という御言葉には、神の御心にかなった歩みをしている信仰者がいわれなく攻撃される時に、神ご自身が敵に一矢報いて下さる御業が示されています。また「自分の舌がつまずきのもとになり、見る人は皆、頭を振って侮るでしょう」(9節)という御言葉によって、私たち自身が周りの人々を舌で攻撃する「敵」となっていないかを顧みるべきでありましょう。「舌がつまずきのもとになり」という御言葉には、攻撃的な言葉だけでなく、自分本位な多言雑言も含まれているからです。

この意味をおぼえて、聖書の御言葉によって自分の舌を制することの大切さを心に刻むと共に、聖書の御言葉と聖霊によって「主に従い、主によって誇る人」(11節)とされるように祈り合いたいと思います。

 

詩編65編

 この詩編には、神へ感謝を捧げる喜びの思いが満ち溢れています。全体の内容は、神殿に臨在されている神への賛美(2〜5節)、世界を統べ治めておられる神への賛美(6〜9節)、全地を創造された神への賛美(10〜14節)に分かれています。私たちにとって三つの賛美は、[蘿劼卜弸澆気譴討い訖澄↓∩瓦討旅顱垢鮗めておられる神、E恵呂鯀和い気譴真澄△箸いζ睛討任△襪燭瓠■僑喫圓了身は、旧約聖書の時代から現代の教会に至るまで、信仰者が神を賛美する基本的な内容であると言えましょう。

 65編の内容が現代の教会に通じる意味があることは、「沈黙してあなたに向かい〜あなたに満願の献げ物をささげます」(2節)という御言葉にも示されています。なぜなら「沈黙」という御言葉は、礼拝の始まりの前奏の時に黙祷することであり、「満願の献げ物」という御言葉は献金のことであるからです。また「罪の数々が〜あなたは贖ってくださいます」という御言葉には、父なる神が御子イエスを地上に遣わし、十字架と復活によって私たちを救って下さった御業を預言する意味があります。

 さらに「地に望んで水を与え〜」という御言葉から始まる10〜14節の段落では、神が農作物を実らせて下さる恵みへの感謝が歌われています。イスラエルの人々は積年、パレスチナ地方に古くからあった農耕の神バアルと敵対していました(列王記上17〜18章に伝えられているエリヤとバアルの預言者たちの戦いを参照)。このため古の詩人は、イスラエルの神が天地を創造し、農作物を実らせて下さる恵みを伝えるために後半の詩を奏でたと考えられています。このような背景を受けて、現代においては、収穫感謝祭の時に毎年この詩編を歌っている教会があるそうです。

 上記の背景は、私たちにも身近な意味があります。なぜなら礼拝において、天地を創られ、全ての国々を治めておられる神を賛美することは、信仰者の基本的な務めであるからです。また私たちは、神の恵みとして日毎の糧を授かっていることを、食卓ごとに思い起こすべきでありましょう。この意味をおぼえて、神への感謝を「喜びの叫び」(14節)として声高らかに奏でながら教会生活を歩み続けてまいりましょう。

author:sugamo-church, category:聖書研究, 21:06
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