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聖書研究会「詩編20,48編」

巣鴨教会聖書研究会 詩編20編、48編

2017年5月28日 渡辺善忠

 

詩編20編(昇天日/5月28日)

 5月28日は復活の主が天に昇られたことをおぼえて礼拝を守ります。「ヤコブの神があなたを高く上げ」(2節)という御言葉は主イエスの昇天を指し示す意味があり、「主は油注がれた方に勝利を授け」(7節)という御言葉は、神が「油注がれた方」(=救い主イエス)に勝利を授ける意味があるため、この日は詩編20編を交読致します。

 詩編20編は元々、為政者や軍隊の指導者が職に任ぜられる時に用いられていたと考えられています。このような背景は、「聖所から助けを遣わし」(3節)という御言葉や、「旗を掲げることができるように」(6節)と御言葉に示されています。なぜなら「助けを遣わし」という御言葉は戦いを助ける意味があり、「旗を掲げる」という御言葉は、戦いに勝利する意味があるからです。また、「王に勝利を与え〜我らに答えてください」(10節)という御言葉の中の「我ら」という御言葉には、戦いの指導者が職に任ぜられる礼式に、多くの民が連なっていたことが示されています。

 さらに「戦車を誇る者もあり、馬を誇る者もある」(8節)という御言葉には、エジプトやバビロニア帝国が戦車や騎馬隊を誇っていたことが背景にあると考えられています。このことに対して、「我らは、我らの神、主の御名を唱える」(8節)という御言葉には、軍事力ではなく神を信頼することの大切さが示されています。

 詩編20編にこのような歴史が刻まれていることは、昨今のアジア情勢にとって大切な意味があります。なぜなら、外交は本来、軍事力を誇ることによるのではなく、信頼関係を築くことが土台であるからです。この意味をおぼえて、現代の為政者たちが心を低くする歩みへ導かれるように祈り合いながら詩編20編を交読致しましょう。

 

詩編48編(ペンテコステ/6月4日)

 今年は6月4日にペンテコステ(聖霊降臨日)を記念する礼拝を守ります。「神の都」(2節)、「シオンの山、力ある王の都」(3節)、「主の都」、「神の都」(9節)という御言葉にはいずれも、聖霊が降った場所であるエルサレムが示されており、「賛美は御名と共に地の果てに及ぶ」(11節)という御言葉は、聖霊によって教会が地の果てまで建てられることを預言する意味があるため、この日は48編を交読致します。

 この詩編には「神の都」であるエルサレムを讃える音調が満ちているため、「シオン賛歌」(エルサレム賛歌)と呼ばれています。旧約聖書では、エルサレムに第一神殿が建てられた時代が理想的に描かれているため、48編の原詩は、第一神殿が存在した紀元前10世紀〜6世紀に遡ると考えられています。このような背景は、「彼らは見て、ひるみ、恐怖に陥って逃げ去った」(6節)という御言葉に示されています。なぜならこの御言葉には、エルサレムに第一神殿が建てられた前後の時代に、イスラエルが他の国々との戦いに勝利していたことを背景に記されたと言われているからです。

 このような歴史的背景に加えて、48編は詩的に洗練された言葉が多く使われているため、原詩が時代を経て発展した後に現在の形に整えられたと考えられています。

 エルサレムが信仰の中心的な場所と考えられていたことは、私たちにも身近な意味があります。なぜなら、古代のイスラエルの人々がエルサレム神殿を中心として信仰生活を営んでいたことは、私たちにとっては、教会を中心として信仰生活を歩む意味があるからです。この意味を心に留めて、神が私たちの教会をご自身の「都」として下さる恵みを感謝して受け入れながら、教会生活を歩み続けてまいりましょう。

author:sugamo-church, category:聖書研究, 17:30
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